せきぶんぶん

日々の生活、思ったこと感じたこと

第1回 経済学

 

 

第1回 経済学

今回の目的は以下の3つであった。


 

経済学とは

経済学とは、経済現象を観察し、この現象がどう起こったかを説明し、それを制御するための学問である。

近代では、大量生産、大量消費をしている、これは金融の発達を促した。


金融とは

金融とは資金の融通、つまりお金の貸し借りである。これには現金の受け渡し、金融商品の売買が当てはまる。

金融の基本はお金を借りたら増やして返す。ではどのくらい増やせばようのだろうか...?

ex)ゼロ金利、マイナス金利...

 

金融商品の具体例

金融商品の具体例として債券があげられる。

  • 発行者...借りてのこと
  • 表面金利...額面に対する割合
  • 償還金利...額面のこと

授業で用いた返済計画は

  • 返済金額...110億円
  • 償還金額...100億円
  • 表面利率...
  • \[ \frac{1億円}{100億円}=1\% \]

と計算できる。

金利(債券の利回り)の求め方

\[ 金 利=\frac{返済金額-借りる額}{借りる額}=\frac{返済金額-債券価格}{債券価格} \]

  • 借り手...売り手
  • 貸し手...買い手
  • 借りる額=貸す額=債券価格

価格の決定の仕方

価格は需要と供給の法則によって決定される。

債券価格と注文量の関係グラフの場合、需要とは買い注文を指す。なので債券を買うことを意味している。(貸し手)

金利と注文量の関係グラフの場合、需要は買い注文をさす。なのでお金を買うことを意味する。(買い手)
金利とはお金を買うこと。

お金の価格の種類


所得

所得とは何らかの経済活動に対してもらえる対価のことである。所得が発生する源泉は2種類あり、1.生産2.投機である。

    1. 生産(販売と購入)

生産とは、生産要素を投入して原料に新たな価値を付加することである。販売と購入の対象は財(有形),サービス(無形),輸送etc...

      • 生産要素...労働と資本(←現在我慢することによって、将来より多くを手に入れることを可能にしてくれるもの)と自然資源
      • 原料に新たな価値を付加...原料費に付加価値を上乗せして価格を決定すること

        資本について

          資本の例
        1. 漁綱なしのとき、100人で1万匹/年→漁綱ありなら100人で3万匹/年
        2. お金 100万円を買い物に使うのを我慢して貸す→108万円で帰ってくる

        である。ここで資本の価値は利回りとして \[ 利回り=\frac{増分}{我慢した分} \] で定義されている。今回の例に当てはめると \[ 利回り=\frac{増分}{我慢した分}=\frac{108-100}{100}=8\% \]

        リスク

        生産に対するリスクは価格変動によって利益が変動することである。小麦を例えにしてみる。

        小麦生産A社
        予想[今年は豊作]→「例年価格の100万円が50万円に値崩れするのでは..?」

        リスクヘッジ:「B社に70万円で予約販売(先渡取引)しよう!」
        ↓でも...
        新たなリスク:「実際には80万円までしか値下がりしなかったら...」

        ⇩それなら!

        10万円の損失を被るリスクを回避するために一方的に解約してしまおう!

        実は、先渡取引では一方的な途中解約はできない。

        ↑これを解決するために新たに先物取引が生まれた。(日本:江戸時代)
        先物取引については第2回を参照。

    1. 投機(安く買って高く売る)

投機とは将来売却するつもりで購入し、買ったときの価格と売るときの価格の差で利益を得ることである。投機の対象は

である。

 


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第2回 統計力学

 

 

第2回 統計力学

今回の目的は以下の4つであった。


 

ミクロカノニカル分布

ミクロカノニカルアンサンブル(以下m.c)はエネルギーE、体積V、粒子数Nを固定して考える。エネルギーE~E+dEのミクロな状態の数をW(E)とすると \[ W(E)=\frac{1}{h^N}\int\delta(H(\Gamma)-E)d\Gamma\equiv D(E)\Delta E \] とかける(D:状態密度)。これより等重率の原理から \[ P_{mc}(\Gamma)=\frac{1}{W(E)}\ \ (E< H(\gamma)< E+\Delta E) \] となる。これより熱力学ポテンシャルはm.c.の場合、エントロピーである。それは \[ S(E,V,N)=k_B\ln W(E,V,N) \] で表せる。

微分の関係を使って \[ dS=\frac{1}{T}dE+\frac{p}{T}dV-\frac{\mu}{T}dN \] と以下の式の係数比較を利用、それぞれの物理量を得ることができる。 \[ dS=\left(\frac{\partial S}{\partial E}\right)_{V,N}dE+\left(\frac{\partial S}{\partial V}\right)_{E,N}+\left(\frac{\partial S}{\partial N}\right)_{E,N}dN \]


カノニカル分布

カノニカルアンサンブルは温度T、体積V、粒子数Nを固定して考える。エネルギーがH(Γ)、またはε_kとなる確率は \[ P_c\propto e^{-\beta H(\Gamma)}\ \ \ \ or\ \ \ \ P_c\propto e^{-\beta\varepsilon_k} \] となる。このときは状態数の代わりに分配関数が与えられている。それは \[ Z(T,V,N)=\sum_k e^{-\beta\varepsilon_k} \] \[ Z(T,V,N)=\frac{1}{h^{d'N}}\int e^{-\beta H(\Gamma)}d\Gamma \] である(d':次元数)。ex)粒子Nつの3次元空間ならd'=N×3=3N次元

熱力学ポテンシャルはカノニカルアンサンブルの場合、ヘルムホルツの自由エネルギーである。 \[ F(T,V,N)=-k_BT\ln Z(T,V,N) \] ここでヘルムホルツの自由エネルギーは \[ F=E-TS \] と表せることから全微分の関係より、以下の式の係数比較を利用、それぞれの物理量を得ることができる。 \[ dF=\left(\frac{\partial F}{\partial T}\right)_{V,N}+\left(\frac{\partial F}{\partial V}\right)_{T,N}+\left(\frac{\partial F}{\partial N}\right)_{T,V} \] \[ dF=SdT-pdV+\mu dN \]


グランドカノニカル分布

グランドカノニカルアンサンブルは温度T、体積V、化学ポテンシャルμを固定して考える。エネルギーがH(Γ)、またはε_kとなる確率は \[ P_{g.c}\propto e^{-\beta(H(\Gamma)-\mu N)}\ \ \ \ or\ \ \ \ P_{g.c}\propto e^{-\beta(\varepsilon_k-\mu N)} \] となる。このときは分配関数の代わりに大分配関数が与えられている。 \[ \Xi(T,V,\mu)=\sum_{N=0}^\infty Z(T,V,N)e^{\beta\mu N}=\sum_{N=0}^\infty\sum_{k} e^{-\beta\varepsilon_k}e^{\beta\mu N} \] \[ \Xi(T,V,\mu)=\sum_{N=0}^\infty\frac{1}{h^{d'N}}\int e^{-\beta(H_N(\Gamma_N)-\mu N)}d\Gamma_N \] である(d':次元数)。ex)粒子Nつの3次元空間ならd'=N×3=3N次元

熱力学ポテンシャルはグランドカノニカルアンサンブルの場合、グランドポテンシャルである。 \[ \Omega(T,V,\mu)=-k_BT\ln \Xi(T,V,\mu) \] ここでグランドポテンシャルは \[ \Omega=F-\mu N\ \ \ (=PV) \] と表せることから全微分の関係より、以下の式の係数比較を利用、それぞれの物理量を得ることができる。 \[ d\Omega=-SdT-pdV+Nd\mu \] ex)粒子数(の平均値) \[ N=-\left(\frac{\partial \Omega}{\partial \mu}\right)_{T,V} \]

今までは平均の定義より \[ < N>=\sum_{N=0}^{\infty}NP_{g.c}(\varepsilon_k,N)=k_BT\frac{\partial}{\partial \mu}\ln\Xi(T,V,\mu) \]


ボース分布関数、フェルミ分布関数

古典統計と量子統計の違い

 

古典統計力学は(Alice,Bob,Charlie,Daniel,…)がどこ(k)に座っているか?
座席kに誰が座っているか?
を考える。

 

 

量子統計は、人々が区別できず、座席kに何人座っているかさえ指定するだけで良い。

まずラベルkがついた席に座っている人数n_kを求める。状態kを占有する(平均)粒子数< n_k>は \[ < n_k>=\frac{1}{\exp[\beta{\varepsilon_k-\mu}]\pm1} \]

  • ボース統計

    上式の符号は負

    \[ n_k=0,1,2,3,... \]
  • フェルミ統計

    上式の符号は正

    \[ n_k=0,1 \] (パウリの排他率)
 


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第1回 連続体の力学

 

 

第1回 連続体の力学

今回の目的は連続体の概念を理解し、弾性体が変形した場合、その大きさの変化量にどのような関係があるかを理解することであった。

 

弾性体とは

弾性体とはバネやゴムといった力を加えると変形し、その力をなくすと元の状態に戻る性質をもつ物体のことである。以下にそのとき成り立つ関係式をまとめておく。

 

    1. 弾性体の変形の式

x軸方向の長さℓ、幅w、高さh、断面Sの直方体に対し物体を引き延ばす方向に力Fを加える。このとき、応力(単位面積当たりの力)は \[ \frac{F}{S}=E\frac{Δ\ell}{\ell} \] とかける(E:ヤング率)。

物体をある方向(今回ならx軸方向)に伸ばすとその伸びた大きさは周りから集めてきたものである。これより、y軸方向とz軸方向から長さΔw,Δhが変化するので、このとき \[ \frac{\Delta w}{w}=\frac{\Delta h}{h}=-\sigma\frac{\Delta\ell}{\ell} \] の関係がある(σ:ポアソン比)。

体積Vの物体に一様な圧力pをかけたとする。このときに変化した体積をΔVとすると \[ \frac{\Delta V}{V}=-\kappa p \] \[ \kappa=\frac{1}{K} \] の関係がある(κ:圧縮率,K:体積弾性率)。

kとEには \[ \frac{\Delta V}{V}=-\frac{p}{K} \] という関係があることからこれらをまとめると \[ K=\frac{E}{3(1-2σ)} \] が成り立つ。

 

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第1回 量子力学

 

 

量子力学の復習

今回は前期までに習った量子力学の総復習した。取り扱う内容は主に2つである。


 

古典力学量子力学の対応

古典力学

    1. 状態
    2. 物理量
    3. 観測量

古典力学は位置\(x\)と速度\(v(=\dot{x})\)で決定される。

    1. 運動方程式

\[m\frac{d^2x}{dt^2}=-\frac{dV}{dx}\]

量子力学

    1. 状態

量子力学波動関数\(\psi(x,t)\)または、ケットベクトル\(|\psi>\)で表す。

    1. 物理量

量子力学は位置\(x\)と運動量\(p\)をそれぞれ演算子

\[x\rightarrow\hat{x}, p\rightarrow\hat{p}=-i\hbar\frac{\partial}{\partial x}\] として波動関数に作用させる。

 

  • 観測量

 

量子力学における観測量は観測したい物理量の演算子波動関数のブラとケットで挟む。 \[<\psi|\hat{x}|\psi>,<\psi|\hat{p}|\psi>\]

 

 

\[ i\hbar\frac{\partial}{\partial t}\psi(x,t)=\hat{H}\psi(x,t) \]である。ただしハミルトニアンは \[ \hat{H}=\frac{\hat{p}^2}{2m}+V(x) \] で定義される。


確率解釈と物理量の期待値

確率解釈

時刻\(t\)に粒子を区間\([x,x+dx]\)に見出す確率は \[ P(x,t)dx \] と定義され、\(P(x,t)=|\psi(x,t)|^2\)のことを確率密度という

物理量の期待値

物理量\(A\)の期待値は\(< A>\)と書き \[ < A >=\int dx\psi^*(x,t)\hat{A}\psi(x,t)=< \psi|\hat{A}|\psi> \] で定義される。このとき、\(\psi(x,t)\)が規格化されていない場合 \[ < A>=\frac{\int dx\psi^*(x,t)\hat{A}\psi(x,t)}{\int dx\psi^*(x,t)\psi(x,t)}=\frac{< \psi|\hat{A}|\psi>}{< \psi|\psi>} \]


平面波

平面波の波動関数自由粒子に対応する。波動関数は \[ \psi(x,t)=A_1e^{i(kx-\omega t)} \] \(A_1\):規格化因子
\*1


調和振動子

調和振動ポテンシャルの場合、ポテンシャル\(V(x)\)と運動エネルギーは \begin{align} V(x)&=\frac{1}{2}m\omega^2x^2\\ 運動エネルギー&=-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} \end{align} であり、固有エネルギーは \[ E_n=\hbar\omega\left(n+\frac{1}{2}\right)\ \ \ \ (n=0,1,2,...) \] となり、固有関数は \[ \psi_n(x)=A_ne^{-\frac{x^2}{2\xi^2}}H_n\left(\frac{x}{\xi}\right) \] ゼロ点エネルギー \[ \frac{1}{2}\hbar\omega \] また次元を見ると \[ エネルギー:\hbar\omega \] \[ \xi\equiv\sqrt{\frac{\hbar}{m\omega}} \]


正規直交系 \(\{\psi_m(x)\}\)  (固有関数のセット)

正規直交性 \[ \int dx\psi^*_m(x)\psi_n(x)=\delta_{mn}\ \ \Leftrightarrow\ <\psi_m|\psi_n>=\delta_{mn} \]

完全性 \[ \sum_n\psi_n\psi^*_n(y)=\delta(x-y)\ \ \Leftrightarrow\ |\psi_n><\psi_n|=\hat{1} \]

任意の波動関数は完全正規直交系の重ね合わせで表現できる。 \begin{align} \psi(x)&=\sum_nC_n\psi_n(x)\\ C_n&=\int dx\psi^*_n(x)\psi(x)=<\psi_n|\psi> \end{align}


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*1:k,\omega)\):粒子の状態

運動量とエネルギーはそれぞれ \begin{align} &運動量:\hbar k\\ &エネルギー:\hbar\omega=\frac{(\hbar k)^2}{2m} \end{align} であるので固有状態の式は \[ \hat{p}\psi=\hbar k \psi\\ i\hbar\frac{\partial}{\partial t}=\hbar\omega\psi \] となる。この場合、運動量とエネルギーが確定した状態なので不確定性原理より粒子の位置は常に不確定である。つまり \begin{align} &\Delta x=\infty,\ かつ\Delta p=o\\ &\Delta t=\infty,\ かつ\Delta E=o \end{align} したがって平面波は運動量とエネルギーは常に\(\Delta p=\Delta E=0\)を満たし、\(xとt\)は常に不確定であると言える。

一般的には不確定性関係 \begin{align} &\Delta x\Delta p\gtrsim\hbar, \ \Leftrightarrow[\hat{x},\hat{p}]=i\hbar\\ &\Delta E\Delta t\gtrsim\hbar \end{align}


定常状態

定常状態とはエネルギーの定まった状態のことを言う。波動間数が \begin{align} \psi(x,t)&=Ae^{-i\omega t}\psi(x)\\ &=e^{-i\omega t}\psi(x) \end{align} と表せるとき(※規格化因子を\(\psi\)に入れた) \begin{align} i\hbar\frac{\partial\psi}{\partial t}&=\hat{H}\psi\\ \hat{H}\psi&=E\psi \end{align} となり、固有値問題に帰着できる。(固有値: \(E_n\)固有関数:\(\psi_n(x)\